野草

九十九里町
04 /23 2020
庭で草取りをしているときに、小さな紫の花を見つけて、テーブルに飾ろうと思った。グラスに入れるほどの量はなかったので、川のそばに生えているクローバーも摘みに行った。そしてしゃがんでクローバーを摘んでいるとき、気がついたらハリルが後ろに立って見ていた。手伝ってくれるというので、頼むことにした。
誰でも子どもの頃に白いクローバーの花を摘んだことがあるだろう。かなり久しぶりにクローバーに触れて、その独特の香りを思い出した。クローバーの花は独特な香りがあるけれど、大人になったどれだけの人がそれを覚えているだろうか。
家に飾るために、若い花だけを集めようと思っていたのに、ハリルはほとんど枯れているものや、持ち帰ったらしぼみそうなものも全部摘んでいた。まだまだ修行が足りないな。

パンを焼く

九十九里町
04 /22 2020
日本では、イランのようにおいしいパンを見つけるのが難しいので、自分で焼いている。日本で人気があるのは、柔らかいパンだ。わたしはヨーロッパ系の外側が固いパンやライ麦パンが好きだったけれど、イランに住んだ後は、平たいパンや薄いパン(ラヴァシュという)も好きになった。
何年も同じレシピでパンを焼いてきた。これは「捏ねないパン」の一種で、スウェーデン人が書いたものだ。少量のイーストで、長い時間をかけて(たとえば一晩)生地を発酵させる。昨晩、生地を用意したので、朝には完全に発酵していた。
生地にクルミを混ぜて、四つに分けて、20分くらいオーブンで焼いたらできあがり。

花壇の準備

九十九里町
04 /11 2020
新居には、小さな花壇がある。何も育っていなかったので、前の住人は植物を植えていなかったのだろうか。表面は土が見えないくらいたくさんの軽石のようなもので覆われていた。
今日は、その茶色い丸いものを取り除いて、土を少し耕し、牛糞や鶏糞の肥料を加えて準備を始めた。
ここに、ハーブを植えようと思っている。ディルとイタリアンパセリとコリアンダー、これらはイラン料理のゴルメサブジに使われるハーブだ。日本では新鮮なハーブを手に入れるのがとても難しいので、庭で育てることができれば便利だろう。バジルも植えたい。問題は、うまく育てることができるかどうかだ。まあでも、その場合はラン食品店でドライハーブを手に入れることもできるので、とりあえずやってみよう。

コタマガイ

九十九里町
04 /05 2020
夕方、海岸を散歩していたら、生きている二枚貝がいくつも落ちていた。九十九里浜はハマグリが有名で、浜辺にはその貝殻がたくさん落ちている。一度だけ、生きているハマグリも拾ったことがあるけれど、あまりにも小さかったので海に投げ入れておいた。
今日見つけたのは、ハマグリと同じくらいの大きさで、形は異なる二枚貝だった。7センチくらいの幅で、ハマグリよりは貝殻が薄い。そして左右で形が違い、一方はまるく、一方は少しとがっている。
海岸を数キロ歩くあいだに、14個もの貝を拾うことができた。ハリルがよく、カスピ海がいかに彼の家族を養ってくれたかという話をしているので、それを思い出した。自然界から貝を拾うだけで、食事が一回分賄えるじゃないか!
家に帰って調べたら、これがコタマガイという名前だということが分かった。食べられるようなので、酒蒸しにするつもり。

追記:
九十九里浜では、水産資源を保護するために漁業権が設定されていて、一般の人はハマグリ、コタマガイ、ダンベイキサゴ(ながらみ)を採ってはいけません。

新居への引越

九十九里町
04 /04 2020
日本に帰国して一年半が経ち、わたしは仕事にもだいぶ慣れてきた。実家から独立するための住まい探しを始めたのが、半年ほど前だ。最初は、実家から近いところにアパートを借りようと考えていたのだが、次第に海の近くに住むことに決めた。家探しを進めるうちに、徐々に自分たちの希望する条件やその優先順位が分かってきて、決定要因は(1)職場まで車で通勤できる場所(2)海岸まで歩いて行ける場所(3)一軒家となった。そして今は、九十九里浜から2キロくらいのところに住んでいる。
春の九十九里浜

海のそばに住みたいというのは、ハリルの希望だった。夏のあいだに何度か九十九里浜に遊びに行ったので、ハリルは海水のきれいさと九十九里浜の壮大さが気に入ったようだった。
イランでは、カスピ海のそばに住んでいたにもかかわらず、海岸に遊びに行ったことは数えるほどしかなかったと思う。一度は、ハリルの弟ジェリルと歩いて行ったときだが、その数日後、わたしは医者に行く羽目になった。沼地のような場所をあまりにも長く歩いたので、腰が痛くなってしまったのだ。ただし、そのときに見た海岸の景色は、夢のような美しさだった。後で知ったのだが、カスピ海でそのような植生が見られることは、稀なことでもあったようだ。その数年後、ハリルのバイクで同じ場所に行こうとしたときには、たどり着くのは簡単だったのに、景色はまったく異なるものだった。
新居は川のそばに建っているので、海岸に行くときは川沿いの道を歩いていく。安全な歩道で、川で休んでいるいろいろな種類の野鳥を見ることができる。