ピザ

九十九里町
06 /22 2020
休みの日の今日は、ピザを焼いた。ハリルがピザマスターなので、わたしはピザを焼いたことがなく、いつも具材の準備係だ。チーズをおろしたり、オリーブをスライスしたりしている間に、ハリルがトマトソースを作りあげる。
今回はイタリアのサラミにモッツアレラチーズ、オリーブとケイパーの乗ったシンプルなピザだった。トマトソースには缶詰のトマトを使ったけれど、そろそろトマトの値段が下がってくるので、次回は生のトマトを使いたい。
ハリルの技術は健在だった。目分量で水やイーストを配合して、生地を捏ねる。そしてピザ一枚分ずつ生地をまるめて、休ませておく。時間が来たら、生地を広げてトマトソースを塗り、その上に均等に具材を並べてピザストーンに移し、オーブンに放り込む。
九十九里に引越したら、お客さんを呼んで思う存分料理を振る舞おうと期待していたのに、コロナという大不運にバッチリ見舞われてしまった。ハリルもがっかりしている。

ハーブの使い道

九十九里町
06 /22 2020
庭に植えたハーブが元気に育ってきて、狭い畑が混み合ってきたので、イタリアンパセリ、コリアンダー、ディルをいくらかまとめて摘んだ。ゴルメサブジを作るほどの量は収穫できなさそうだが、乾燥ハーブの足しにはなるだろう。
イランではイタリアンパセリの茎を捨てることもあったけれど、ここでは量が少ないし、自分で育てたパセリなので、茎も小さく刻んで大事に食べようと思う。刻んで軽く炒めると、かなり少ない量になってしまった。それでも冷凍保存することにした。ディルとコリアンダーは少し別に刻んで、ヨーグルトに混ぜた。きゅうりやにんにくのすりおろし、クミンシードを擦ったものも入っている。

サラダには、植木鉢で育てているルッコラも入れた。庭でハーブが摘めることで、どの料理も香りが高くなるので、食卓が豊かになった気がする。


コストコで果物を買い込んだところに、こんな贈り物が届いてびっくり! 受け取った箱には、まるで宝石のような山形のさくらんぼがたっぷり入っていた。さすがの砂漠家でも、これは少しずつ大事に食べることになった。

果物やスウィーツなど

九十九里町
06 /19 2020
日本ほど果物の値段が高い国はない!
わたしは二言目にはそう口に出してしまう。砂漠人ブログを長く読んでいる人なら、この嘆きを分かってくれるかもしれない。しかし帰国して二年近くが経とうとしている今では、うちも野菜や果物の入手先をかなり開拓できている。
今週は休日を丸一日費やした甲斐もあって、満足な買い物ができた。バターやチーズ、小麦粉も大量に手に入ったし、上質な肉類も安く買うことができた。コストコというアメリカの倉庫型の店のおかげだ。およそ体の小さな日本人には似合わないサイズ感の店なのだが、うちの場合、果物の量が多いことはただひたすらありがたいのだった。その上、食品の質もなかなかよいことも分かってきた。
十日ほど前に漬けた梅シロップは、梅の実がしぼんできたのでだいぶ浸かっているようだ。毎日瓶をゆすって砂糖を溶かしてきた。左はイケア、右はセラーメイトの瓶で密封瓶だと思っていたのに、両方とも上下逆さまにしたら見事にシロップが滲み出ていた。蓋との間に挟み込むゴムの使い方がまずいのかもしれない。
上は、最近マスターしようとしている黒ごまプリン。豆腐と練り胡麻を使ったヘルシー感のあるデザートなのだが、砂糖もクリームも使うので低カロリーということではない。250mlのグラスに作ったら一人分のデザートとしては量が多すぎたので、小さい容器を注文した。スマホを使ってなんでもすぐ注文できて、品物はすぐに家まで届くのだから便利極まりない。でもその度に、こんな生活は長くは続かないのではないのではないかとちらっと思う。ただ、メルカリで買い物をするときは、なぜか少しサステイナブルな世界も感じる。

トイレに置く植物

九十九里町
06 /12 2020
トイレになにか植物を置こうと思って調べたら、頻繁に水をやらなくていいサボテンや多肉植物がよさそうだった。そこで、実家の庭にあった小さな鉢をひとつもらってきて、また、ハーブ園でも小さな多肉植物をひとつ買った。
右側の渋い植木鉢は、今は介護施設に住んでいる伯母が育ててきて、母が譲り受けたものだ。土の表面には苔が生えて、盆栽と言えるほどの年季が入っていたけれど、思い切って植え替えてみることにした。左は「オーロラ」という名前の多肉植物だそうだ。近くの園芸店で専用の土を買ってきて、両方とも土をそれに入れ替える。サボテンや多肉植物用の土というのは、排水性が良くて軽いものから成っていた。基本的に砂漠などで育つ植物は、水やりはしなくても生き延びることができる種類なのだという。
水は頻繁にはやらないので、植木鉢の下の受け皿は要らなかったとあとで気がついたが、それらも周到に用意した。ひとつは母にもらい、もうひとつはメルカリで750円も出して買った。多肉植物は200円だったから、受け皿の方が値段が高いぞ。
どうだろう? 植え替える前の方がよかったかもしれない。新しい土に挿しただけで、水はやらずに二日経っても見た目は萎えていないので、このまま様子を見ていこう。
もう数日待って水をやり、湿り過ぎていないのを確認したら、それぞれトイレの窓枠に置くつもりだ。トイレの窓は二つとも朝日が当たるので、光合成もだいじょうぶじゃないかと考えている。

これからは、ダイナミックなイランでの日常とは違った、小さな暮らしの様子を書いていくことになりそうだ。日本語で!

梅シロップ

九十九里町
06 /09 2020
六月。日本では梅、赤紫蘇、らっきょうなどを漬ける季節だ。去年、小さい家族経営のレストランに行ったとき、冷たい紫蘇ジュースをサービスしてもらったのを覚えている。その鮮やかな赤い色の飲み物は、さわやかな酸味があっておいしかった。いつもはイケアでリンゴンベリーのシロップを買って炭酸水で飲んでいるのだが、今回は自分の梅シロップを作ってみることにした。暇だしね。
梅、氷砂糖、ガラス瓶はスーパーで買えるので、とても簡単な仕事だ。楽しいけれど、それほど楽しくもない。というのも、スウェーデンでは裏の森でバケツいっぱいのブルーベリーを摘んで、ていねいに洗い、ジャムをガラス瓶に何本も煮たものだからだ。あれはまるで天国かと思うくらいの、本物の自然のめぐみだった。自然の中で、自分の手でベリーを摘んで、ジャムを作る。この梅シロップを作るのと似ているようで、実際はかなり違うことだ。こんなに簡単にできる梅シロップでは、「感動」の瞬間が体験できない。
数週間前、ハリルはニンニクの酢漬けを作ったのだが、今日チェックしてみたらすでに漬かっていて、食べられるようになっていた。プロセスを早めるために、酢と塩でニンニクをゆでたのだと言っていた。
トマトの値段が下がったので、以前よりたくさん買うようになった。そしてチリビーンズを煮るときに、缶詰ではなく生のトマトを入れてみたら、とてもおいしくできた。九十九里では、夏にはセブンイレブンでも新鮮で安いトマトを買うことができるので、楽しみにしている。コリアンダーも庭から採って来れるので、これがいっそうの清涼感を与えてくれる(そして感動体験だ)。

数年ぶりに、YouTubeで養老孟司のインタビューを見た。彼の自然と都市、体と心についての世界観は、聞いていてとても納得がいく。ときに、養老先生がおっしゃる内容は、ハリルが話している内容と合致する。たとえば、「よい食べ物というのは味のことではなく、その効果が後で表れてくる。よい食べ物とは、食べても体に何も残らないような感覚になるものだ。」ハリルは珍しいものや新しいものを食べるとき、いつも「味はいいけど、その効果は後で分かる。」と言う。