天然酵母と発酵あんこ

九十九里町
10 /31 2020
天然酵母のパンは温度管理がめんどくさいので避けていたのに、今年買ったヨーグルトメーカーが使えることを思いつき、うっかり始めてしまった。実際は、酵母ができてもパン生地を発酵させるときの温度管理も難しいので、すでにため息が出ている。
レーズンで酵母を起こし、そこに全粒粉を入れた中種をつくるところまでは、ヨーグルトメーカーでわりと簡単にできる。それを使ってパン生地をつくり、焼くのだが、生地をこねるところとその発酵具合の見極めがまだ難しい。感覚がつかめないながらも二回焼いたところ、うまくいったと思ったときと失敗したかもと思ったときの仕上がりがあまり違わない。どういうことなのだ。
1回目
2回目

明日の朝、2回目のパンにメスを入れる(切って食べる)。
さて、会社の人にそそのかされて天然酵母からそのほかの発酵食品にも興味を持ってしまい、なにかと調べていたら、発酵あんこというものがあるのを知った。あんこは好きだから絶対に作りたい! と思い、翌日、小豆と米麹を買う。
小豆を茹でて、米麹と合わせてヨーグルトメーカーにセット。8時間でできた。
これをフードプロセッサーでペースト状にし、こしあん風に。
夜に撮ったので、写真は実物より白けて見えている。発酵あんこのすごいところは、砂糖を一切使わないのに、十分な甘みがあるということだ。たしかに十分甘いのだけれど、砂糖とは違った甘みで、麹菌だけあって、これは甘酒方面の甘みだと思う。思わず、バナナを冷凍させて作る砂糖なしのアイスクリームを思い出した。初めて作ったときは、そのおいしさと甘味に感動するのだけれど、本物のアイス(あんこ)を食べると、まったく別物だということが分かるという結末。それでも、発酵あんこはネーミングからして魅力的だし、手頃なので、あんこ好きの人は一度作ってみたら楽しいと思う。炊飯器でも作れるようだ。

貝と貝殻

九十九里町
10 /22 2020
海岸を散歩していて、めずらしくハマグリを拾った。海岸は、いつ行ってもその表情が違う。たとえば、波の満ち引きや砂浜に落ちている貝の種類などが、日によっても時間によっても異なっている。九十九里浜では、一般の人がハマグリなどの貝を採ることは禁止されていて、違反すると罰金もあるようだ。そうなんだと思いつつも、散歩していて目の前に生きた貝が落ちていると、拾っている。
今日は生きたハマグリを4個拾った。死んで口が開いたのや、空っぽになった貝殻もたくさん落ちていた。こんな状況は初めて遭遇した。コタマガイというハマグリくらいの大きさの貝は、これまでもよく拾ったことがあるのだが。いずれにしても大きな貝なので、4個くらいが二人分のスープにちょうどいい量だ。
その他に、貝殻だけを拾うこともある。貝殻のコレクションは、子どもの頃からの趣味で、今でも本気の宝物箱として集めてきた貝殻を持っている。これはもう棺桶に入れてもらうしかないくらい、大事なものだ。九十九里町に住んだのは、そのコレクションを増やすいい機会となったけれど、あいにくこの海岸は貝殻のバリエーションが少ない。しょうがないので、ハマグリのコレクションを進めている。
すごいと思う、このデザイン。乾かして、接着剤を使って生きていたときの(貝が閉じた)形にして保管しようと思っている。
そういえば、二枚貝の形のMacBookが昔あった。あれが発売されたときはうれしかったなあ。ノート型マシンを二枚貝に見立てたデザインはすばらしく、今また発売されたら絶対に買いたい。

カモメの話

九十九里町
10 /03 2020
ハリルはほぼ毎日、海岸で散歩をしている。半ズボンタイプの水着を着て行って、ビーチでは海水の中を歩いているようだ。今日は(も?)ある出来事に遭遇したようで、帰るなり、その話をしてくれた。
波打ち際を歩いていると、二羽のカモメが落ちていた。よく見ると、カモメはクチバシが網に絡まってしまい、動けなくなっていたようだ。二羽とも目は開いていて、生きていた。そこでハリルは、近くで釣りをしていた女性にハサミか何か道具を借りようと声をかけた。女性は海の中に入って、竿を垂れていたそうだ。 ハリルが遠くから声をかけると、その女性は驚いた後、最初はハリルを無視しようとしたそうだ。向こうを向いたきり、ハリルの方は見ないようにしていたので、ハリルはさらに彼女に近づいて、カモメと網を見せて状況を説明しようとした。近づいたハリルに気づいて、女性はさらに驚いてパニックになったそうだが、ハリルはなんとかカモメが網に絡まっていることと、それを切る道具を借りたいことを理解してもらうことができた。
その後、釣り人は砂浜の方に来て道具を出してくれて、ハリルと一緒にカモメの網を解いた。一羽はすぐに飛び立って、もう一羽は傷ついていたものの、水の中に入ったそうだ。ハリルは、体温を下げようと海に入ったのじゃないかと言っていた。
ハリルは不思議がっている。二羽のカモメが落ちていた波打ち際を大勢の人が通り過ぎたのに、誰一人として関心を示さなかったそうだ。なぜ自分の周りの環境に無関心でいるのか。もっと早くに誰かが気づいていれば、一羽のカモメもあれだけ傷つく前に助けることができたかもしれないのに、多くの日本人はロボットなのか? 脳と心があるのに、必要な時にそれを使っていない! と、ちょっと怒ってもいた。
釣り人の女性は、カモメを助けた後、とても嬉しそうな表情をしていたそうで、ほとんどハリルにハグしそうな勢いだったそうだ(ほんまかいな)。ハリルが遠くに去った後も、海の中に入った一羽を助けようとしたり、無事かどうかを見守っていたそうだ。
こんな人が野鳥を持って近づいたら驚くよね