酒種酵母のパン
九十九里町米麹から、パン用の酵母(酒種酵母)を起こしました。今回は2回目なので、落ち着いて手順通りに進めることができました。知らないことをするときは、無用な心配をして失敗しがちですが、逆も然りですね。
酒種酵母は、日本の伝統的なサワードウです。生米、水、米麹、ご飯を混ぜて発酵させ、5日かけて安定した酒種酵母を作ります。
このドロドロとしたものが、作った種酵母の原液です。これをイーストにして水、小麦粉、塩を混ぜてパン生地を作ります。わたしはどのイーストを使っても大体まるい大きなカンパーニュを作るのですが、今回は水の量が多すぎて成形できないほどゆるい生地になってしまったので、パウンドケーキの型に放り込んで焼きました。
細かい気泡ができています
酒種酵母の原液は冷蔵庫で2〜4週間もつそうなので、少なくなったら水、米麹、ごはんを足して発酵させて増やします。
天然酵母をキープする他の方法もあります。
酵母の原液に同量の小麦粉を混ぜて発酵させ、さらに小麦粉と水を同比率で混ぜて発酵させたものは「中種」と呼ばれていて、原液よりも安定したイーストになるので、この状態にして使う人も多いようです。わたしもこれまでレーズン、小麦粉、米麹から起こした酵母は、小麦粉を混ぜて発酵させた状態でキープしていました。
酒種酵母の中種(全粒粉で作りました)
パンを焼くときは、これに水、小麦粉、塩を混ぜて生地を作ります。何度も何度も同じパンを焼いて、捏ねる時間や方法、発酵具合の見極め、焼く温度と時間などを感覚で掴んでいきます。もう一年以上焼き続けていますが、季節や材料が変わるとほとんどの要素に影響するので、完璧に仕上げようと思ってもなかなかそうはいきません。でも逆に、大失敗することもないのです。食べられないようなパンを焼いたことはほぼないと思います。造形的に完璧じゃないものはしばしばできあがりますが、家で食べる分には問題ありません。お店なら、「売りものにならない」ということだと思います。
売りものにならないやつ
底から爆発
これは生地がきちっと閉じていなかった(わたしがやりがち)か、発酵時間が足りなかったかのどちらかだと思います。