新しく古いティーポット

九十九里町
09 /30 2022
最近、なんだか生活がマンネリ化していると感じる。そこで手っ取り早く楽しくなる方法として、買い物。なにかモノを買うという行為は、ハンティングと同じだとわたしは考えている。昔は衣食住すべてのものを自然から採ったり狩ったりしていたけれど、それがお店でお金を交換してくる方法に変わったのだと。だから人は、必要なものを買っていると同時に、それを狩る楽しみを味わっている。
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このティーポットを狩りました

これはおそらく、ソ連時代のウクライナで作られたものだ。世界中のフリマサイトを覗いたら、同じ色・図柄のものをいくつか見つけることができた。ポロンネという場所で、リンゴ柄とこの配色を特徴として製造されていたようだ。ウズベキスタンのアンティークにもそっくりなオレンジ色の食器があるので、それと相互関係はあるに違いない。ちなみに後ろのガラスポットはしまおうと思ってハイターと重曹で茶渋を取ったら新品同様にきれいになったもの。
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なぜわたしがソ連時代の食器に興味を持っているかというと、ハリルの実家にもそういうティーポットや茶碗がたくさんあったからだ。ハリルの祖父は共産主義を避けて旧ソ連のトルクメニスタンからイランへ移住した人だったので、その当時運んできた食器をパッマダイザ(ハリルの母)は譲り受けて使っているのだろう。クミシュテペで日常的に買える食器は中国製かトルコ製の安いものばかりだったので、ソ連のものは貴重だ。あくまでもイランの話だが。
小さめのポットは、夜に飲むお茶にぴったり。ハリルは食器棚に色どりが添えられたなどと言っていたが、食器棚は色味を抑えて渋くキメていたつもりなんだけど? でもたしかに、このポットが花を添えてくれた。
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そしてイタリアンプリンを入れるためだけのこのお皿も買った。これはフランスのル・クルーゼのもの。サイズが完璧なのは、プリン型に合うものをネットで可能な限り探した成果だ。
このおままごとでしばらくは暮らしに楽しみが増えると思う。飽きたらまた何かを狩ろう。

メロン

九十九里町
09 /29 2022
庭のメロンは葉がすべて枯れ、果実がかろうじて蔓で繋がっている状況で、秋を迎えました。これ以上果実の成長はないだろうと思いすべてを回収し、よさそうな二つを切ってみることに。
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一番大きな実は虫に食われて穴があったものの、中身はきれいでした。しかしまだまだ熟しておらず、外側のしわ模様が十分に出るまでではだめなのだと思います。皺が完成した実は一つだけありました。切ってみると、
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完璧じゃないですか? みずみずしさが写真でも分かると思います。たったの一つだけ、間に合ったということでしょうか。そして食べてみた感想は
"NO SUGAR"
これに尽きました。甘みがまったくないってどういうことでしょう? 分かりません。さすがのハリルも後で食べると言いながら捨てていました。

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アーラジャには買った「ちりめん丸紐」で輪をつくり、首にかけています。最初はメルカリでそれを作った人から買いましたが、アーラジャが何度もなくしてくるのでついには自作するようになったのです。ガウシャンはまだ外に出していませんが、同じ方法で試してみました。
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予想どおり、首の紐をガシガシ噛むという。少しつまんで輪ゴムで止めたら歯が届かなくなりましたが、そのうち慣れるのを待とうと思います。

ビフォーアフター

九十九里町
09 /27 2022
ちょっとしたDIYをふたたび、ひさしぶりに。今回は、100円ショップで5 x 45cmの木材を買って、台所の引き出しを整理しました。仕切りかトレイを買おうと思ったら、ちょうどいいサイズがなかったので。
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ビフォー
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アフター

わたしは引き出しごとにものをごちゃっと入れてガサゴソ取り出すタイプですが、仕切りをしてみると思ったより使いやすいんですね。木材はノコギリで切って、木工用ボンドでつけただけです。
さて、次はハリルのビフォーアフター。スケールが違いますよ。
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ビフォー
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アフター

開拓しました。草刈りボランティアの会長が「業者が来たのかと思った」と言ってくれたほど大掛かりな仕事ですが、ハリルは一人で手作業でやりました(まだ進行中)。わたしは草が茂っていた前の様子も、好きだったんですけどね。勝手にアフリカを感じたりして。
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さて、うかうかしていると秋の種まきや苗付けを逃してしまいます。畑には、落花生とカボチャが育っています。メロンはあらかた取り除いたので、結果は別記事にて。

ローズマリー酵母

九十九里町
09 /25 2022
ローズマリーを発酵させた酵母液ができました。あまり勢いがなかったですが、とりあえずライ麦全粒粉を混ぜてさらに発酵させると…
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酵母液60g+ライ麦全粒粉40g
いい感じに二倍になりました。それをさらに二分して、それぞれ水とライ麦全粒粉を同量足し、発酵させます。
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三倍に膨らんでしまいました。しかもその後萎んだ形跡があるので、過発酵気味です。こうなるとよくないのです。種がちょうど二倍に膨らんだあたりで、それを元にパンを焼くのがベストですが、そのタイミングで外出していたり寝ていたりしてうまくいかないという。
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やはり元種が過発酵だったか、あるいはパン生地自体が過発酵だったと思います。発酵が過ぎると、膨らむ力が抜けて(気泡が弾ける)このようにぺたんこになります。
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天然酵母のパンはしばらく食べていなかったので忘れていましたが、味と食感はドライイーストで作るパンとは明確な差がありました。皮がクランチーだし、中身ももっちりとしている。ローズマリーの香りも感じました。「本物のパン(笑)を食べている!」という気になります。
今回はライ麦全粒粉で酵母を培養したので、次は小麦粉だけを使うことでもっとローズマリーの香りを味わってみようと思っています。

ヤマカガシ

九十九里町
09 /24 2022
「カメラを持って来い! 猫がなんかやってるぞ!」と外からハリルが声をかけてきます。とりあえずカメラを持って外に出てみると、アーラジャが蛇を捕まえてきただけでした。ヤマガカシは、前回は庭の真ん中で追い払った記憶があります。そのときもハリルは家の中から声を出していただけで、わたしが棒に絡めて隣の敷地に投げたと思うのですが…
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今回ハリルは細い竹の棒を二本使って捕まえようとしていましたが、どう見ても本気で捕らえる気があるようには見えません。結局わたしがBBQ用のトングで蛇の首根っこを掴んで、用水路の向こうの林へ投げました。「これでわたしの方が勇敢だということが証明されたね」と言いながら、自分の強さに哀しさを覚えた一幕。
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ガウシャンは、アーラジャの体に飛び乗っては噛んだりおっぱいを吸おうとしたりします(内緒ですが、わたしの耳たぶを吸いながら首をモミモミするという変態プレイもやる)。アーラジャは嫌がって、ガウシャンを叩きます。そして家中をドタバタと追いかけっこをするので落ち着きません。障子と襖の穴も広げてしまいました。
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おいしいいちじくを安く手に入れられる場所を見つけたので、可能な限り通おうとしています。梨もジューシーだし、次は柿? 果物はしばらく楽しめますね。

メロン

九十九里町
09 /20 2022
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庭(隣の敷地)は、そろそろ秋の種や苗を植える時期に来ています。落花生は11月頃に収穫予定ですが、メロンはいつなのか? たしか種を蒔いた時期が遅すぎたので、実が大きくなるのは間に合わなかったようです。そして蔓をケアしたものと放置したものでは、実の出来にあまり違いがないようです(今回のケア自体が十分でなかったですが)。
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一番大きいやつ
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それっぽいやつ(小)
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ウリハムシに猛攻撃されたやつ

ウリハムシというオレンジ色の虫は、メロンにくっついてベトベトした液を出しながら、皮を丸く切り抜こうとします。でも簡単には穴が開かないようで、ほとんどは落書きしたような線がたくさん残っているだけでした。来年まじめにメロンをやるとしたら、虫対策が必須のようです。
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ミョウガは今年はあまり生えません。植えている場所一直線にモグラが通った跡があったので、そのせいかもと思いつつ、原因は不明。でもいつものコールスローサラダに刻んで入れたらひと味違い、楽しめました。
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空き地を大開拓したハリル。その向こうの敷地が見えてきました。やりすぎだと思いますが、地主さんからクレームが来るまでやめないでしょう。
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わたしの花壇はいろんなハーブをちょこちょこ植えています。セントジョーンズワートという、聞いたことしかなかったハーブを植えました(一枚目の写真の中央手前)。今のところタイムに似ていますが、黄色い花が咲くようです。またおもしろいハーブを見つけたら足していきます。緑色の植木鉢はルバーブで、これはいずれ畑に移す予定。

ひまわりの種

九十九里町
09 /19 2022
たくさん咲いたヒマワリから種を取ろうと思っていました。食用にしたり、来年また花用にしたり? 枯れたひまわりの花を切り落としたところまではよかったのですが、その後天日干しのタイミングがうまくいかず、ほとんどがカビてしまいました。
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カビが生えたものは保存できないので、結局ほとんどは捨てることに。花が二つ分だけ、カビていないものがあったので、その種だけは保存しようとしています。よく考えたら、枯れて植わっていた時点で既にカビていたかもしれません。よく観察して、来年は無駄な作業を避けたいものです。
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自家製の乾燥オレガノもたくさんできました
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実が割れたトマトが安売りしていることがあります。それをたくさん買って、皮を湯むきしたら刻んで冷凍してしまいます。こうしておけば、トマト缶よりよっぽどおいしく料理ができます。

木の根の話

九十九里町
09 /17 2022
実家の木の根を取り除く代わりに、根の表面を切って短くし、地中に埋めてしまった話を前に書きました。そこを通る母が、飛び出している木の根につまづいて転ばないよう、地面を平らにしたいのだと思っていたわたしは、木の根を抜かずに解決した方法を誇らしくすら思っていました。ところが台所で作業をしているときに、母がこう聞いてきたのです。
「そこに植えてあったワレモコウはどこにある?」
「え、ワレモコウ? もしかして緑の葉が生えてたやつ?」
「そう。秋の七草を植えていたの」
「・・・・・・。崖の下に捨てた」
「わざわざ〇〇町からもらってきて植えてたのに〜」
母は、倉庫のまわりにワレモコウを植えていたのでした。それを、わたしは引き抜いて捨てていたのです。倉庫の周りをきれいにしようと思ってやったことですが、実際わたしの感覚では、木を切って倉庫を置いた後の場所に植物を植えることは想像ができず、勝手に生えた草木だと思っていました。
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植物が生えていたら雑草だろうし、それを避けるために足元がふらつくといけないと思い、何も生えているべきではない、と勝手に思っていました。でも母は、そこに楽しみでワレモコウを植えていたのです。わたしは、何と返したと思いますか?
「それは申し訳なかったけど・・・あそこにはもう何も植えないで!!」
というのが精一杯でした。植えないでもなにも、あそこは母の家です。わたしが決めることではないのですが。

両親をヘルプしたいという気持ちや行動と、現実の状況がいつもちぐはぐです。母は地面を平らにしたかったのではなく、木の根を抜いて自分の好きな植物を植えたかったのでしょう。わたしは母の安全のためと言いつつ先走って、この結果です。母のためを思っているつもりでも、心の奥底では、垣根を切って倉庫をいくつも置くという行動にひどく腹が立っていたのだと思います。そしてよくよく考えたら、母がここに草木を植えるのは、数年前から父が庭のあちこちに果樹をどんどん植えたことで、自分のスペースがなくなったからです。それぞれの事情が複雑に絡み合っています。
ワレモコウを捨ててしまった後で、状況はよく分かりましたが、もうこれ以上考えたくないほど嫌な気持ちになってしまいました。娘に大事な草を捨てられて母の方がいやだとは思いますが、果実がならない状況(土とスペースの問題)で果樹の苗を植えまくる父と、溜め込んだものを入れるための倉庫群で植物を愛でようとする母。どうしてそうなってしまうのか? 実の両親ですが、センスが違いすぎて心が疲れてきます。もっとも、親兄弟ほど感覚が異なる人っていないと常々思っていますけど。
もちろん、今回自分がしたことが荒々しかったことも理解しましたが、もうしばらく考えない、近寄らないことで解決したいと思います。勝手ながら、そのうちまた母が秋の七草を植えてくれればいいと思います。
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ガウシャン〜 かわいすぎる。

一つ、勘違いしていたことがありました。垣根の木が紅葉すると思っていたのは、若葉が生えたときに赤っぽくなるだけでした。なぜなら、その木は「サザンカ」だったからです。たしかに、とくにすてきな木というわけではなかったですね・・・

洋梨のワイン煮

九十九里町
09 /15 2022
洋梨を注文したらかなり固い状態で届いたので、熟すまで待とうと思っていたら、母がワイン煮にするといいと教えてくれました。それは子どもの頃によく食べたので覚えています。ピンク色に染まった梨にホイップクリームが添えられて出てきました。
作り方は、洋梨の皮を剥いて鍋に入れ、赤ワインと砂糖を足してぐつぐつ煮るだけです。煮ているときに、「子どもには一度煮た後のワインシロップで煮たのを食べさせていたけど、最初にできあがるのはワインで真っ黒(赤)になるんだよ」と母が言いました。え? 上等なデザートを食べているつもりだったのに、二番煎じだったなんて!
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洋梨は24個入りを買ったのですが、油断していたら二日間で傷んで腐ったものがどんどん出てきました。スーパーで買った日本の梨も一個腐っていたし、ちょうど腐りやすい気候の日にあたったのかも。そういう日ってあると思っています。
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急いで傷んだところを除いて、カットした状態でスパイスも入れたワインで煮ました。アイスクリームと一緒に食べたらよさそうです。残ったシロップは、夜に映画を観るときに炭酸で割って飲んでいます。このところ、6夜連続でイラン映画が放映されていたので、毎晩9時から観ていました。アスガル・ファルハーディーという監督の作品で、スターTVなので、観る人は少ないかもしれませんが。

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左はただの砂糖壺。一緒に入っているのはステビアの葉です

伸びてきたローズマリーの芽でパン用の酵母を起こそうとしています。少し前に試したレーズン酵母はあまり勢いがありませんでした。なのでそれ以上元種は作らず、発酵した原液をイーストでパンを焼くときに混ぜて消費しました。できそこないでも酵母の働きはあるはずなので、香りなど、天然酵母を使うとパンのできに違いは出るのです。

木の根が抜けない場合

印西市
09 /12 2022
実家の裏手には、倉庫が乱立しています。この倉庫を置いたのはほんの数年前ですが、それまではここに木の垣根がありました。家の裏手は道路に面しているので、よくよくその存在を思ったことはありませんが、今思うとそれは紅葉する木のすてきな垣根でした。しかし両親はそれをすべて切って、倉庫を四つ置いたのです(他にも5個倉庫があるよ!)。
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今回わたしたちがした作業は、残っている木の根を取り除く作業です。業者にも見積もってもらったそうですが、車輌で機械を運んできて、職人に抜く作業をしてもらうと相当の金額がかかるため、おすすめしないと言われたようです。その業者さんだったら自分で抜くということでしたが、あいにく腰を悪くしていて作業はできないとのこと。その話を聞いたので、ハリルと二人でやってみようと思いました。
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こういう状態で、切った木の株から枝が伸びてきています。倉庫の下に入っているものもあります。
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一所懸命掘りましたが、根は地中で四方八方に足を伸ばしていて、根を鋸で切りながらしても、あまりに大変な作業だということはすぐに分かりました。薬をかけても、木は草と違って枯れないそうです。耳にしたそんな話を思い出しながらどうすべきか考えていたところ、ふとひらめいたのです。
枯れないのなら、死なないのなら、地表に出ないように幹をなるべく短く切って、土を被せて、土の中で眠ってもらえばいいのではないか? と。もしまた地表に出てきても、少しだけ周りを掘って同じ作業をすれば簡単です。でも実は、それよりも強くわたしの脳裏によぎったことは、木の根にはそのまま眠ってもらい、いつか倉庫をすべて取り除いたときに、また垣根として育ってくれるのではないか、ということでした。倉庫をなくすのはわたしかもしれないし、そうでないかもしれませんが、わたしはそういう未来に希望を見出しました。
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ハリルも同意して、すぐに作業をしてくれました。そしてこのとおり、木の根は抜かずに地面を平らにしたのです。
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わたしは、ここを通る母が転ばないよう、安全のために木の根を抜くことしか頭にありませんでした。なので、このすばらしいアイディアと結果に大満足で作業を終えました。
しかし、この話にはあまりハッピーではない続きがあるのです。