パッチン錠
九十九里町いつからか持っていたこの箱は、たぶん葉巻が入っていたのを父からもらったのだと思う。物入れにして使っていたのに先日、開けた途端にバチンと言って金具が折れた。
シーツに穴が空いたときと同じく、その瞬間は「あ、ついにこれは捨てるのか」と思った。中身は袋に入れ替えればいいし、クロゼットに床置きにしていたので処分したらスッキリする、くらいに。でも次の瞬間に、金具を付け替えればいいじゃん! とひらめいてしまった。
さっそくネットで検索するも、この金具の名前が分からない。「蝶番」で出てこず、「金具 箱」で画像検索したら出てきた。これはパッチン錠というようだ。
ヨドバシカメラで359円で売っていたのでいそいそと注文し、取り寄せてもらって一週間ほどで手に入った。そして一心不乱に取り付けて、こんな具合に。
いろいろと苦労の跡は見えるけれど、箱の掛け金という機能が完全に復活し、まだ物入れとして使えることになった。
最後に、どこのたばこなのかと思って「Cuervo 1800」を検索してみたら、なんとそれは葉巻ではなくテキーラだった。は〜? 誰、テキーラ持ってたの? 父からもらったかどうかも怪しくなってきた。それによく考えたら、こんな薄っぺらい箱だと湿気ってしまうから、葉巻入れではないはずだった。いずれにしても、どこかあたたかい気候の国の人が作った箱なのだろう。金具がついていた位置が、箱の長さの中心からずれていましたので。