牛骨ブイヨン
九十九里町冬になるとしきりに「牛骨を買いたい」とハリルが言う。牛骨を煮込んだスープを作るのだそうだ。いつかは寒くない季節に作ってしまい、一晩寝かせた後にも脂が固まらず失敗したことがあったけど、これだけ気温が低くなったので今回は正解だった。
大きな鍋に骨を入るだけ入れて、ネギ、セロリ、にんじんなどありったけの野菜を足して、一日中弱火で煮込んだ。そして一晩寝かせて、翌朝上澄みの脂を取り除き、スープだけを別の鍋に移して、冷めるまで置いておく。
残った骨にはまた水を足して一日中、二番だしを取った。その翌日は骨を捨てる前にまた少し水を足して、三番だしを取ったけれど、これも十分いいスープができていた。同じものをpapricaさんのところでも作ったそうで、英語では「ボーンブロス」と言うようだ。骨から出るスープはゼラチン質で、胃腸の調子が良くなるとか免疫をサポートするとか、色々な効能があると言われている。実際、うちの場合は二人とも腸の調子に驚くような効果があらわれたので、わたしもすっかりこのブロスの信者となっている。
ブロスはどんな料理にも使える。今回初めて作った豚もつのみそ煮込みは最高だった。これは食べる前日に作っておくと一層おいしくなると思う。半日とか一晩置いて、熟成された後に驚くような風味が出るスープは多い。先日偶然できてしまった雑煮もそうだった。いつものチキンスープを作ろうと思ったら材料が里芋、蓮根など和のものしかなかったので間に合わせで作ったら、お正月に食べる「お雑煮」ができてしまった。ハリルは「味はどこ?」と言ったくらい地味な味だけれど、確かにあれはお雑煮の味だった。
ハリルがあまり食べなかったので余ってしまい、翌朝大きなどんぶりに入れてわたしが食べるしかなく、内心「食べ切れるかな?」と心配だったのに、一口口に入れたら衝撃の旨みが! 置いておいただけなのになぜあんなおいしくなったのだろう〜
これからはスープや煮込みは、できる限り食べる前日に作りたいと考えている。