猫はいなくなった

九十九里町
01 /28 2023
里親が決まって、「よかったね。幸せになるよ〜」と猫には話しかけていた。猫はベッドの布団の上に枕を置いて座り、日に当たっていた。最後になると思って、記念に撮ったのがこの写真。
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食べる量は少ないけれど、二日に一回くらいは便も出ていたし、保護した翌日に吐いた以外は、体調を保っているように見えた。もしかしたら、腎臓の病気ではなくて環境が変わったストレスだったのかもしれない。
けれど、今朝も缶詰をふた匙食べたきり、二階で休んだままで、夕方降りてきたと思ったら水を飲み、トイレに出たり入ったりを繰り返していた。そして朝食べたものを吐いてしまい、またトイレをしようとして、うまくできないようだった。台所のあちこちでトイレのために座る姿勢をして、窓のところまで来たので、外で試したいのだろうと思い、窓を開けてやった。猫は縁側を降りた壁の前で土を掘り、またしばらく用を足そうとしていた。しかし何も出ていなかった。
それから塀に飛び乗り、歩いて、座って風に当たっていた。
この時点でわたしは、直感的に、彼女はもうどこかへ行ってしまうと悟った。一目散に走って逃げたのではない。猫はただプイッと反対側に向き返り、ゆっくり歩いた後、お隣さんの敷地へ飛び降りたのだった。
保護した猫を逃してしまった。里親も決まったところだったのに。でも、これは彼女の選択だった。保護してから12日間、一度も外へ出ようとはしなかった猫だ。最初に現れてから家に入れてやるまで二週間以上、外がいくら寒くても、縁側に座り窓にへばりついて動かなかった猫だ。毎晩、一日中、二階のベッドで寝ていたし、起きてきてストーブのそばで休んだり、家になじんでいるようにすら見えた。しかし彼女は今日、自分の意志で、どこかへ消えた。

里親

九十九里町
01 /28 2023
「この猫はうちで世話をするしかないだろう」と考えたその理由は、具合がよくなく、腎臓の病気があるかもしれないと思ったからだ。水をたくさん飲むのと、おしっこの量が多いという症状があった。保護した翌日に、一度吐いた。それから、食べる量が極端に少ない。一日中ほとんど寝ている。体が冷たく、覇気がない。筋肉がない。落ち着いたら、獣医さんに診てもらおうと思っていたところだ。子猫ではない上に、こんな状態の猫を引き取ってくれる人を見つけることができるだろうか? かなり難しいだろう。
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しかし奇跡は起きた。サイトに里親募集の掲示をしてもらった動物病院から、連絡があったのだ。写真と情報を見て、飼いたいという人がいるとのこと。すぐ本人から電話をもらい、病気の疑いのことを話すと「それも含めて猫の世話をしたい」と言ってくれた。信じられない。そんな優しい人がいるんだろうか? 胸が詰まった。
新しい飼い主は、たった一人見つかればいいけれど、その一人をどうやって見つけたらいいのか? と思っていた。里親募集のあらゆるサイトには、行き先のない猫が溢れている。でも結果的には、動物病院の力が大きかった。里親を希望してくれた人は千葉県在住で、早いほうがいいということで連絡から三日後の朝、来てくれるということになった。

猫を拾ったら

九十九里町
01 /25 2023
猫を保護して、自分が飼えない場合、どういう選択肢があるのか? これまでに分かったことを整理してみた。
(1)保健所に連絡して預ける
けれど、それは数日後の殺処分を意味している。保健所のサイトを見たら首輪をした猫も載っていて、それがもうすぐ殺されるのかと思うといたたまれない気持ちになった。どんな猫でも保健所に預けるわけにはいかない。
(2)飼い主を自分で探す
近所の状況を見ても、すでに拾った猫を三匹も飼っている人がいるし、友人知人にも限りがあるし、見つけられる自信がまったくない。自分が飼えないものを、いったい誰が飼ってくれるというのか。
(3)動物病院のサイトに載せてもらい、里親を探す
自分で保護している場合は、ただで載せてくれる獣医さんもいるかもしれない。しかしその場合も、エイズと白血病のウィルス検査は拾った人が負担しないといけないので、その費用が診察料や検便を含めて6,000〜7,000円かかる。その際に虫下しやその他の処方があれば、すぐ10,000円になる。そしてエイズ・白血病の検査は正式には二ヶ月の期間をあけて再検査しないといけないので、同じ費用がまたかかる。その上で、検査結果が陰性であれば、そしてかわいい子猫であれば、サイトに載せて里親が見つかる可能性も高まるだろう。しかし100%ではないから、里親が現れなければ、保護した人に戻ってくる。
自宅で保護できずに動物病院に完全に預ける場合は、エイズ・白血病検査に加えて避妊または去勢手術が加わり、もろもろで70,000円以上かかり、一ヶ月の預かり料(宿泊代)と合わせて150,000円という見積もりをもらった。それでも里親が見つからなければ、保護主に戻ってくる。
(4)動物愛護団体
これにはいろいろな立場の団体があるのだろうけれど、詳しくは調べていない。サイトを読み込んでいる途中で、調べなくても結論は分かる気がしたからだ。つまり、保護される猫の数より、保護猫を飼いたい人の数が多いということがない限り、猫は余ってしまい、余ったものは費用が続かなければ、いずれは処分されてもおかしくないだろう。
わたしが電話した施設は殺処分ゼロのポリシーを掲げているけれど、実際の仕事としてそれが遂行されているかどうかは確かめる術がない。そこは、メス猫の場合、エイズ・白血病の検査が陰性であれば、5万円で引き取ってくれるとのことだった。避妊はせず、オス猫を去勢することで同じ場所にたくさんの猫を飼っているらしい。
(5)ほかに方法をご存知の方がいれば、教えてください〜
猫がやってきたのが誰かの家の話だったら「あの家は猫に好かれてるのね〜」とわたしでも微笑ましく思うだろう。でも自分の身に起これば、これは頭痛の種だ。わたしは保護する前、考えに考えた末、二週間くらい実家に避難してこの猫が諦めてどこかに行くのを待とうと決心した。でもその翌日、雨の降る中、窓から一歩も動かない彼女を見て考えを変えたのだった。
自分にとっては大きな負担だと感じる三匹目の猫だけれど、殺されるくらいなら無理してでも世話をするしかない。後に、この猫についてはそう思う理由がもう一つ加わるのだが、それはまた別の機会に。
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アメショ?

九十九里町
01 /24 2023
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獣医さんに診てもらったところ、保護した猫は1〜2歳の若いメスだとのこと。お腹に虫もいなかった。足の爪が一つ変形しているほかは、体もきれいだ。どう考えても野良育ちではないだろう。最初から人慣れしていて鳴くし、人間の住む家の構造も分かっているよう。ずっと窓の鍵の部分に飛びかかっていたので、そこがキーだということを知っているのだろう。
警察と保健所に、探し猫の届出がないかを確かめた。けれど、該当はなく、一週間経った今も連絡はない。これだけきれいな猫で、首輪をしていないというのはどういうことなのか。うちの猫たちも、自分でどこかへ行ってしまうなら仕方ないと思っているので連絡先は記していないものの、一応首輪はつけている。
保護する前には、動物保護施設という所に相談してみたが、そこでは拾った人がエイズと白血病検査を負担して、結果が陰性ならば、5万円(メスの場合)で引き取ってくれると言っていた。しかし引き渡す決断ができない。
いずれにしても元の飼い主を探している一方で、新しい飼い主も探そうとしていて、アーラジャをくれた獣医さんには動物病院のサイトに載せてもらった。でも吉報はまだない。そしてその獣医さんによると、この猫はキジトラではなく、アメリカンショートヘアの柄なのだそうだ。そう言われてよく見たら、普通のトラ猫とは模様が明らかに違っていた。
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屋根に飛び乗る前の猫。模様がトラではない
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キジトラ白のアーラジャと茶トラ白のガウシャン。縞模様はくっきり
血統書でもついていそうなその猫が、どうして民家を廻って飼ってもらおうとするに至ったのか。いつもながら迷い猫の人生は本当に謎である。

猫を保護

九十九里町
01 /22 2023
結論から言おう。うちには今、三匹目の猫がいる。アーラジャとガウシャンのほかに、猫を一匹「保護」している。
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この猫が最初に現れたのは、年末だった。小さくてきれいな猫で、当然近所の飼い猫だろうと思ったので、欲しそうにしていた餌を少しやってしまった。そのせいか、その後も度々縁側に現れるようになり、最後の一週間くらいはそこから動かなかった。窓の外からこちらを見ては鳴き、わたしの目をまっすぐに見つめて100%「家に入れてくれ」と訴えていた。
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でもわたしは頑なに入れなかったし、ハリルに追い払ってもらったりもしていた(本気じゃないことは猫に伝わっていたと思う)。これ以上、猫を飼うことはできない。去年拾ったガウシャンだって、飼う用意はなかったのだ。今はなんとかなっても、これから先、両親の世話が大変になるかもしれないし、ハリルだって20歳も年上だし、言うことの聞かない小動物を何匹も飼うわけにはいかない。それに、ここは借家で猫は一匹しか飼っていないことになっている。旅行にも行けない。本当に困るのだ。
しかし、雨が降っても朝から晩までずっと縁側に座ってこちらを見て子猫が泣いている状況で、どうしろというのか。気が変になりそうだった。どうやっても動かないし、餌も十分にやっていないので持ち上げると体がスカスカだった。
朝まで雨が降り続くと言われた日の夕方、その猫をキャリーに入れて近所の獣医さんへ直行した。エイズと白血病の検査をして、とりあえず陰性だったら家に入れようと思ったからだ。
結果は陰性だった。直近二ヶ月の結果は表れない検査なので感染の可能性はゼロではないが、これから二ヶ月も外に置いておくわけにはいかないだろう。そのまま自宅に入れて、二匹の猫と同じように飼っている。
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現れた当初は軽々と二階の屋根に飛び乗り、二階からこの家に入ろうとでもしているようだった。

蜂蜜

九十九里町
01 /13 2023
リルが言うには、蜂蜜は冬に食べるものだそうだ。でもネットで検索する限りは、花の種類による採蜜時期の違いで、一年中が旬だという記載が多い。いずれにしても、年に一度だけ購入すれば十分です〜
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いつも九州にある養蜂園に電話で発注している。今は亡き倉敷の祖母が食べていた蜂蜜で、父が真似したようなのでわたしも買うようになった。二種類の蜂蜜をガラス瓶ではなくビニールパックで一つずつ。一番お得な買い方だと思うのだが、気になるお値段は送料込みで9,380円。蜂蜜には薬効があるため、本物だと思ってこれを買っているけれど、じゃあスーパーで売っている安い蜂蜜は、あれは一体なんなのだ。
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小瓶に詰め替えついでに、キンカンを漬けてみた。キンカンは煮沸せずに半分に割り、種をとって蜂蜜をかけただけ。なので、冷蔵庫に保管している。生で食べるときは種も食べてしまうので、種は取らなくてもよかったかもしれない。生のキンカンは腸活にいいというが、あま〜い蜂蜜と柑橘の爽やかさもいい加減になると思う。
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左は道の駅で、右はスーパーで買ったキンカン。外見はスーパーのものの方がいいけれど、果肉の新鮮さには圧倒的な差があった。一口で食べてしまうので、気にしたことがなかったものの、道の駅のものは農家の木から採取したものだろうか。見つけたらそっちを買おうと思った。
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キウィフルーツのジャムを煮て、weckの瓶で煮沸消毒をした。300ml入って底の浅いこのタイプが、うちでは便利なよう。
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それからバルミューダ冥利に尽きる、チーズトースト。オーブンが壊れて修理に出し、パンが焼けなかったので、朝食にはこんなものを食べていた。デロンギのオーブンは、宅配便で集荷してもらってから7日間で戻ってきた。壊れたスイッチ周りの他に、だいぶ前から切れていたドアスプリングも新しくして戻してくれた。送料込みで25,300円だが、一週間でこの仕事をしてくれるのは考えたらすごいことだ。頼むまでと頼んだ後のカスタマーサービスの対応も細やかだった。欧米ではムリでしょ。
蜂蜜からあまりに脱線しましたが。

一月の買い物

九十九里町
01 /06 2023
お正月が明けて、スーパーでも安売りが始まっていた。今日はあらゆる商品が2〜3割引として売られていたので、フリーザーバッグや猫缶を買い足した堅実なわたくし。そしてその前に道の駅でハンティングしてきた野菜たちが、こちら。
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これ全部合わせて2,000円を切る値段なのだから、狩りがいがあるなあ。お米と野菜を作って食べていれば日本は食糧危機には陥らないと、福岡正信が書いていたけれど、実際そうなんだろうと思う。熟し切った柿をおトクな値段で買おうとしたら、レジで「柔らかいですが、大丈夫ですか?」と入念に聞かれた。柔らかいから買っているのに、後で文句を言いにくる人でもいるんだろうか。対応が細やかすぎて、こちらが恐れ入る。新鮮なカブと葉物は、冬のサラダを作ってゲイメと一緒に食べた。普段買うことのないパンも、オーブンが壊れたので買ってみた。自分で焼いているので市販のパンはまず買わないけれど、地元のスーパータイヨーのパンは、原材料が良心的なので買うことがある。でもやはり、噛みごたえのないふわふわ感は否めないのが残念なところ。
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タイヨーでこんなダサかわお年賀をもらった〜

ベイキング

九十九里町
01 /05 2023
12月には、ジンジャークッキーに始まり、ナッツぎっしりブラウニー、パンプキンパウンドケーキ、イタリアンプリンなど、楽しくなってお菓子を次々と焼いた。こんなに量産しちゃってどうしよう? と言うわたしに「心配するな」とハリル。そしてその言葉どおり、なんとかなってしまった。おそろし。
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ラムに漬け込んであったドライフルーツを使ったパウンドケーキもおいしかった。もっと違う種類のお菓子、たとえばシフォンケーキなんかもやっちゃおうかな〜 と考えていた矢先、以前から調子の悪かったオーブンが完全に壊れる事態が発生(電源が入らない)。新品を買ってから三年も持たなかったけれど、ほぼ毎日パンを焼いて酷使してきたのでそんなものだろうか。買い替えを検討した挙句、面倒になってそのデロンギのオーブンを修理に出すことにした。買った時の半額程度(送料込み25,300円)で修理をしてくれるそうなので。
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ハリルが台所で野菜の切れ端を育てている。これは生えてきた葉っぱを食べるための方法だと思うのだが、ハリルは地面に植えると再生すると考えているよう。それはよっぽどうまくやらないと無理じゃないか? イランで散々経験したせいか、「やっても多分うまくいかない」「意味がない」「不毛な」ことをやるのは、わたしは大嫌いなのだ〜 なので、時々トマトのヘタなどは勝手に捨てて、きれいに整えてこれを小さな森として鑑賞するようにしている。これ、意味アルコトネ。

2023

九十九里町
01 /03 2023
新年おめでとうございます。
ブログを読んでくださるみなさん、いつもありがとうございます。今年もよろしくです!

年末年始は仕事を休めたものの、お正月らしさは皆無のただ寒い冬の日々を過ごしました。本当につまらないなあ、来年は兄弟家族を招待して「らしい」正月を過ごした方がいいかなあなどと思いながら、昼間からベッドに入って本を読んでいたら、郵便配達の気配がしました。お正月に小包なんて、一体誰がわたしにお年賀をくれるのか? ハリルが受け取ってくれている間、会社か? エージェントか? または友達? と最終的に一人の友人の顔を頭に浮かべたら、ハズレました。小包は、スウェーデンの友人からでした。これは嬉しい! 退屈なお正月から一気にテンションが上がった〜
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スウェーデンのチョコレートやお菓子(これがすごく嬉しいw)、クッキー型と分厚い靴下が入っていました。先月には、初めて自分でスウェーデンのジンジャークッキーを焼いたので型をいくつも買ったところですが、今回のプレゼントと合わせたら、クッキー型が合計15個になりました。変なところでリッチになってしまったぞい。
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カードにはスウェーデン人らしきおばあさんが二人でフィーカしていて、まるでこの友人とわたしの老後かと思いました。シナモンロールを食べているようです。
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わたしは仲のいい友人(ほぼ全員女性〜)がたくさんいて、本当にしあわせだと思います。気分が落ちるといつもそのことを思い出すようにしています。あ、一人だけ仲のいい男性の友人もいました。ハリルですけど。
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ガウシャンの型もあったよ