庭仕事始め

九十九里町
02 /25 2023
今年の庭仕事がそろそろ始まった。空き地に青々とした麦が育ったのを見たハリルが「残っている場所も竹の根を抜く」と言うので、その前に処分しそびれている竹の根を燃やすよう頼んだ。去年は抜いた竹の根をあちこちに置きっぱなしにしていたため、それがまた地中に埋もれてしまうという失敗があった。竹の根を片付けずに次の作業に移るべきではないだろう(常に冷静なわたしである)。最近は、長くなってきた夫婦生活で諦めの境地に至ったのか、なんでもわたしが言うとおりにすべきだとハリルは考えているようだ。それでよろしい。
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去年、ハリルは炭を作ると言って空き地の真ん中に大きな穴を掘った。たくさんの木の幹を燃やしたけれど、炭ができたという話は聞いていない。とにかくそこで、木の上で乾燥させていた竹の根をどんどん燃やしていた。
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気がついたら二月ももう終わる。冬が去るのは大歓迎だが、次の1〜2週間で春夏の畑の計画を立てて、準備をする必要がありそうだ。今年は耕さない+肥料をやらない+虫も駆除しない自然農を実践していきたいので、今のうちに育てる植物や畝の配置を決めて、詳細をシミュレーションしておきたい。作物の収穫量より、自然の営みを観察したいというのがわたしの目的なので、楽しめたらいいと思っている。ハリルはあいかわらず、メロンをたくさん育てたいと言っている。メロンを育てるには、まだ土地が肥えていないように思うのだが、空き地の半分くらいはメロン用に空けておこう。
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興奮して砂浴びしまくるガウシャン。畑をトイレにしてくれる

ボーン・ブロス

九十九里町
02 /23 2023
今年の冬に買った牛骨5kgのうち、1.5kgほどを冷凍庫に残していたので、それでまたスープをとった。前回はハリルが豪快に骨を鍋に入れ、くず野菜を放り込んで一日煮て、そのままスープを冷凍していたが、今回はわたしがていねいに野菜などを取り除いたので、きれいなジェリーになった。
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丸一日は煮込まず、肉が骨から剥がれるくらいに柔らかくなった時点で火を止めた。途中、なぜか羊の骨も放り込まれていたので、残った骨はこうなった。
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左が牛骨。右が羊
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左が一番だし、右が二番だし
煮込んだスープは網で漉して、一晩寒いところに置いておく。そうして浮いた脂はすくってしまう。うちではそれもとっておいて、料理に使ったりするが、健康にいいと思っているわけではない(下がすくいたての脂)。
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二番だしもそれなりにいいスープがとれるので、一度煮たきり骨を捨てるのはもったいないようだ。
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左が一番だし、右が二番だし
ここ数年、冬になると便秘がちになって困っていた。けれどなぜか今年は、腸の調子がやたらによかったので、このボーンブロスかモツ(豚や牛の胃腸)のどちらか(あるいは両方)の作用だと思っている。
ちなみに、なぜ羊の骨まで入ったかというと、その日ハリルが羊肉を捌いてディジーを作っていたからだ。
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最近買った子羊のカルカス(11kg)

ふきのとう

九十九里町
02 /20 2023
毎年恒例になってきた春の兆し、ふきのとうを摘んだ。いつも実家が建つ急斜面をそろそろと降りて、その斜面の麓を探している。今年は少しだけ来るのが遅かったようだ。2月10日あたりが一番よさそうなので、来年はぜひその辺りに来よう。
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100gちょっとしか採れなかったので、全部をみそにした。それから今年は、ふきのとうを「茹でる」レシピを試してみた。
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ガラス瓶を四つも煮沸して用意したのに、できたのは小さい瓶たった二つ分。でも蕗味噌はジャムと違って、たくさん食べるものでもないか? これは外国に住む友人ボーダさんに送りたいと思っています。
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清家ばんかんビレッジ」という農園から柑橘の詰め合わせが届いた。これは、ちょっとしたことの「お礼に」といただいたもの。なんてわくわくする詰め合わせなんでしょう! 「せとか」というみかんがとくに好きだが、どのみかんも新鮮で心地よい酸味が感じられて、おいしい。わたしも同じ詰め合わせを父の誕生日に送ろうと思う。

野良たち

九十九里町
02 /18 2023
キジトラのガラジャが死んだ後、すぐに別の野良猫が来るようになった。今度こそ本当に仔猫で、茶色の混じったキジトラだ。捕獲しようとして一度家に入れたら、出口を塞いだためにパニックに陥って、部屋の中で大暴れした。いくら猫でも、和室の鴨居の上を歩くなんてそんなことができるか? その猫は、やっていた。壁を歩いていたようにすら見えた。その後も、家に入りはしないものの、餌を食べに来ては窓の外から大声で鳴いている。けれど、窓を開けると逃げる。
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アークジャ
うちには何年も前から野良の白猫が餌を食べに来ているが、それ以外は、一年半前に来た茶トラの仔猫以外は記憶にない。近所で飼われている猫が姿を現すことはあるが、ガラジャは茶トラのあと初めて来た猫だった。そして今はキジトラの仔猫が通ってくるようになった。
今日の晩はなんと、また別の新しいのが来た。台所に座っていたら、見たことのないだいぶ大きな猫が縁側に飛び乗ったので「おいで。おいで!」と声をかけながら窓の外をよく見ると、目が合った。しかしそれは、はっきりと分かったけれど、たぬきだったのだ。
すごいね。どんな家なのか、うちは。寒さもピークに達して、野生動物たちは食料を見つけるのが難しいのかもしれない。

キャラウェイシード

九十九里町
02 /15 2023
チェコには、キャラウェイシードを入れたライ麦パンがあるらしい。アメリカにも、キャラウェイの入ったパンのサンドイッチがあって、それがめっぽうおいしいと語っている人がいた。どちらもパンの名前は忘れてしまったが、ふと思い立っていつものパンにライ麦とキャラウェイを入れてみた。どなたかのレシピを拝借して、はちみつ、バター、ヨーグルトも入れた。
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これは、たしかに特別な風味がする。風味が強いので「好き!」という感じではなかったけれど、食べつけるとクセになるのは分かる気がした。スモークサーモンやクリームチーズを載せるといいのかな? わたしはいわしのマリネで朝食とした。
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新鮮なイワシを手開きしてフィレにし、甘酢に漬けて一晩以上おく。これがやたらにおいしいのだが、その旨みがどこから来るのかよくよく考えたら、使っていた「かんたん酢」の糖分じゃないかと思い当たった。そりゃ砂糖はおいしいはずだけれど、ならば自分で砂糖を減らした酢を作って漬けようと思い、いつからかそうしている。
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鰯のマリネは朝ごはんのタンパク質として、かなり優秀だ。うちは肉をよく食べる方だと思うけれど、それでもタンパク質を十分摂っているかと問われると、自信がない。朝ごはんでももっと積極的にタンパク質を摂りたいので、卵以外のメニューもこうして増やしていこうと思う。
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これは、いも姉ちゃんの十八番、いもりんご。切り方や煮かたがこなれてきて、フランスのデザートとまちがわれてもおかしくない風貌になってきた(?)。

カンパーニュ・オ・ラムレーズン

九十九里町
02 /13 2023
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最近は、全粒粉とライ麦粉を少しずつ加えたカンパーニュを焼いている。たまにサワードウ(天然酵母)も使うけれど、比べるとどうしてもドライイーストが手軽なので、小麦粉250gくらいのカンパーニュに1gほど使って焼いている。
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レーズンをラム酒に漬けたものとクルミを入れたパンを作ってみた。これはとってもいい香りがする上に、テクスチャーがしっとり。バターやクリームを塗って食べると、おやつにもイケる。どこかで見つけたレシピから材料だけメモしたけれど、肝心のレシピはどれだったのかがわからなくなってしまった。普通のパンを焼く要領で焼けばいいと思う。
  (材料)
  小麦粉 200g
  全粒粉 50g
  塩 小さじ1=5g
  イースト 1gほど
  ぬるま湯 190g
  クルミ 60g
  ラムレーズン 100g
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にんじん・オレンジ・りんごのジャムは、イランで果物の種類の乏しくなる冬によく煮ていた。このジャムを混ぜ込んだパウンドケーキを焼いたら、オレンジの皮の苦味が効いてなかなかの出来だった。パウンドケーキは最初にバターをよく練るのがポイントだが、冬は室温が低いので難しく、これもパンの発酵と同じく電気毛布に包んで柔らかくしている。
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アーラジャは、暖かい空気が上にあがるのを知っていて、キャットタワーの上段・中断に座って暖をとっているようだ。体がすごく大きくなってきている。去年の今頃、ワクチン接種の際に7kg以上あって、あまり体重を増やさないようにと言われたのだけれど。

ガラジャとの別れ

九十九里町
02 /10 2023
ガラジャ(クロ)と呼んでいた猫は、夜中に息をひき取った。動物病院で末期の腎臓病と言われてから何日経っただろうか。
すぐにウェットフードも食べなくなり、ときどき水を舐めてはじっと眠っていた。前足をきちんと揃えて丸くなり、本当におとなしく、じっとしていた。時々ベッドの上に乗ったり、部屋の隅に移動してみたり。最後はトイレの段差も上るのが難しそうだったので、高さの低いトレイにマットを敷いてやった。戻したり、おしっこをしたりをくり返し、やがて体が少し骨っぽくなっていった。
彼女がどこで休んでいても、時々そばにいって声をかけたり、人や猫の気配を感じられるようにした。獣医さんは「できれば毎日点滴を」と言っていたが、一度も行くことはなかった。わたしはそれでよかったと思う。猫は車のエンジンが動いていると鳴いて嫌がっていたし、弱ってからは、抱き上げて移動させるのすら嫌がっていた。この家のあちこちで休んで、最後はわたしが隣に布団を敷いて寝た。手を握ったり、体をギュッとしたりして励ました。猫によっては、最期にそばにいられることを嫌がるのもいるけれど、ガラジャはそうではないようだった。わたしたちに頼ってきて、本当にかわいい猫だった。
雨が降った今日、雨の中を一日中縁側に座って待っていた彼女を思い出す。そんなに酷い病状にはとても見えず、強い猫だと思ってしまった。小さくても、わたしたちと同じかけがいのない命があり、病気のときに助けが必要なのは当たり前なのだと教えられた。猫がうちに入れてくれとせがんでいたとき、自分は試されていると思っていた。でも「試されている」とかそういうことではなく、弱った猫は助けが必要だ、という単純なことだったのだ。十年も先のことを計算して心配するより、目の前のことに適切に対応しなければいけないと思った。
それから、病気があっても猫をひき取って面倒を見たいと言ってくれる人がこの社会にいると知ったことも学びだった。保健所のサイトを見て悲観的になるより、少しでも里親の希望を持って探せばなんとかなるのかもしれないと思えた。これから先、また迷い猫に出会ったら迷わず助けてあげたいと思う。
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さよなら、ガラジャ。

冬の畑(空き地)

九十九里町
02 /06 2023
秋に種を蒔いたライ麦とオーツ麦は、どちらがどうか分からないけれど、地面を青々とカバーしてくれた。寒くても、これを見ると清々しい気持ちになる。
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麦はそのまま生やしておいて、春や夏に植えたいものがあれば、草の間に畝を起こして種(苗)を植えるつもり。自然農という方法に従いたいので、生ごみでのコンポストづくりも今はやめている。
畑の作物は成長が止まったように見える。でも実際は、新しい芽や葉が生まれ出ている気がする。
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ディル
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コリアンダー
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ハーブの畝の隣は、レンゲと菜の花とグリーンピースを適当に蒔き、ここも枯れ草で覆っておいた。しかしレンゲと菜の花は、失敗したようだ。レンゲの葉は途中から見えなくなったし、菜の花は成長が止まって枯れそうになっている。グリーンピースだけは、ところどころ出ている。
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ここは日当たりがいいので、春になったらハーブと同じく畝を立てて、何かを育てようと思う。
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毎年うらやましくpapricaさんのルバーブの新芽を見ていたけれど、今年はうちにも見ることができた。じつは苗を植えたばかりの去年、秋の間に短い茎を2本くらい取って、ジャムも作ってみた。甘酸っぱいジャム、今年も作るのがとても楽しみ!

猫の血液検査の結果

九十九里町
02 /05 2023
虫下しを飲ませてから四日目、また動物病院へ猫を連れて行った。もりもり餌を食べて元気になるのを待っていたのに、食欲は落ちる一方、便も出ないので心配になり、とりあえずまた点滴を打ってもらいたかった。
そして今回は、そろそろ虫以外の原因を探った方がいいと思い、血液検査をした。病気が判明して、治療の方向性が決まれば、里親に引き渡す時期の目処もつくだろう。
まずは点滴を打ち、血液を採取して、その結果を30分待つ。結果は、やはりこの猫には腎臓病があり、しかも末期で、いつ死んでもおかしくないくらい悪いということだった。見た目からも、そこまで悪いとは思わなかったけれど、一日中ベッドでじっとしていることから考えたら、それは納得のいく結果だった。レベル4のため、与えられる薬もなく、点滴を打つのが唯一できることだそう。猫は相当つらいはずで… かわいそうだった。
里親には、猫は動かさず、最期までうちで看取るという連絡をした。それに従う、よろしくお願いします、もし猫が死んだら連絡がほしいということだった。どうして写真でしか見たことのない保護猫にそんなに思い入れがあるのか? 次に連絡するときにはぜひ聞いてみたいと思っている。
猫は、寝室の床に電気カーペットを敷いて、休ませている。昨夜は一晩中、ガウシャンが添い寝していた。ただ単に床が温かいからだろうけど、他の猫もそばで生活していることが、この猫になんらかの安心を与えてくれればいいなと思っている。

里親の訪問

九十九里町
02 /02 2023
動物病院にいる間に、ちょうど里親希望のカップルが九十九里に到着したので、病院の駐車場で合流してもらい、そのままうちまで来てもらった。
とても若い二人で、ずっとこの猫に寄り添ってなでたり、観察したりしていた。ヒゲの外国人の夫がいる見知らぬの家で、そうするしかなかったかもしれない。とりあえずその日は猫を移動させない方がいいということで、猫なしで引き取ってもらったが、容体が安定したらわたしが連れて行くという約束をした。カップルは、その日のためにレンタカーをして来てくれたのだった。
病院から戻ってみんなで猫を観察しているとき、猫はたくさん水を飲んだ後、それを吐いた。その中から、平たく細長い20cmくらいの虫が出てきた。正確には、虫の一部だったかもしれないが、マンソン裂頭条虫に違いなかった。
翌日、また動物病院に行き、どういう治療ができるか、里親に渡すタイミングを念頭に相談した。猫を連れてくるように言われたので、最初に自分だけ行って順番を取ってから待ち人数で時間の目安を測り、猫を連れてまた行った。点滴を打ってもらい、体重も戻っていたので虫下しを食べさせてもらった。結果、翌朝まで吐くことなかったので、虫は少しずつ死んでいると願いたい。7日後にまた虫下を飲む必要があり、その後の検便でいなくなるまで間隔をあけた薬の投与が必要だ。
獣医さんからは、その翌日も猫を診せに来いと言うことだったので、また二往復して連れていった。猫の容体は少しだけよくなったように思えた。少なくとも、体重が減って命のリスクがあった日に比べると、安心してもいいようだった。後は、無事に虫が死んで、元気が出たら里親希望のカップルに渡すつもりでいる。腎臓などの病気がありそうなので、その後もかなり心配だが。